機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

2022-01-01から1年間の記事一覧

欲しい言葉

言ってほしい言葉があるんだ。 それさえ言ってもらえたらそれでいいんだ。 そういう時に限って、 その言葉は言ってはもらえないんだ。

いじめられっ子だった

中学のとき、いじめに遭った。 同じ部活にいた同級生からの無視、 わざと聞こえるように言われる悪態、 練習にかこつけて行われる嫌がらせが続いた。 関係の無いはずの奴に話し掛けたら いつの間にかそいつもグルで、 露骨に逃げられて驚いたりもした。 思い…

リーブミーアローン

晩御飯を食べた後、 これから私はギターの練習をする。 なので誰も来てはならない。 そう言ってギターのある部屋で練習を始めたのだけど、 数分やったらもう眠くて、 気づくとギターを抱えたまま寝てた。

予定は

予定通りにいかない。 今月はそれを思い知った。 色々と大変だったけど なんとか無事だ。 バタバタと過ぎる日常の中には 笑い声や大きな声や怒鳴り声や泣き声があるけれど、 非日常になると、あらゆる声が消えて無くなるってことに気づいた。

侵食

気づかないうちに忍び込む。 いつの間にか目の前にある。 その時点から対策を打ったところで既に遅し。 外からの侵入を防ぐ目的の防御壁は 今度は外部に漏らさないための防御壁となる。 秩序を保つためにはインフラが必要。 インフラを稼働させるには動力が…

悪い夢

周りの人にとってはそれは得意なことで、 楽しんでできるレジャーのようだった。 そんな中に自分がいたのだけど、 彼らが上手くできることが自分には上手くできなくて、 それまでに彼らが自分を見ていた視線は、 徐々に蔑みに変わっていった。 居心地が悪く…

夏の空

角を曲がると家々が消えて、 空が広がった。 雲は散らばっていたけど、その隙間にたくさんの星が見えた。 すごくきれいだったので立ち止まり、 しばしの間、空を見上げてた。

急病のお客様

車内で急病のお客様がおられるため、 しばらく停車致します。 そのアナウンスを聞いた時に脳裏によぎったのは、 ああ、大丈夫だろうか、ではなく、 ああ、帰るのが遅くなってしまうな、 だった。 目の前で起こっていないことは、 自分にとっては他人事ですら…

音楽は世界を救うのか

そんなこと別にどっちでもいいけど、 俺を救ったことは確かだ。

権限のある人

ほど動かないのはなぜなんだろう、 と思っていた。 なんだけど、権限がある人が動くということは それだけ大きな変化ってことで、 それは時に大袈裟でなく自分や他人の人生を左右するような大きな変化であって、 だからびびって動けないのか、と思った。 な…

夢の形

ついに友人が実店舗を構えることになって、 大きな荷物の搬入や内装の一部作業を手伝った。 形態としては工房兼店舗、ということになる。 ここに至るまで、小さなひとつひとつのことに真摯に丁寧に向き合ってきて、それらが成果として目に見える形になった、…

優しい人

ずいぶん前の話。 最終電車に自分は乗っていた。 少し離れた電車の出入口付近には、明らかに飲み過ぎた風体の大学生らしき男子が立っていた。 下を向いて口を抑えたまましばらく静止していたのだけど、堪えきれなくなったんだろう、その場で吐いてしまった。…

あるロボットの証言

そもそもあの青いロボットがポケットから出していたのは全部ハードウェアだったわけですが、人間の五感が限定的な機能しか保有していない以上、身の回りに必要なハードの機能も人間のそれに合わせることになります。だからいくらハードの技術が向上しても一…

あっちもこっちも

降ったら降ったで心配だ。 降らなきゃ降らないで心配だ。

何もしない奴ほど

口はうるさい。 自分の手を止めてるだけじゃなく 周りの手まで止めるからタチが悪い。 できれば関わりたくはないけど、 それはみんなが思っていることで、 誰も注意したがらないけど、 誰かが注意しないといけない。 そうなると誰だ。 俺か。 そうか。

掌10

もうずいぶん前にギターとカホンは録音して、 あとはそれを重ねて歌を入れるだけ。 なんだけど、なかなかデカい声を出して録音する機会が無くて、できないままでいる。 もうそろそろほんとにいい加減にだよな、 と思ってるんだけど。 なんだか日々の色んな義…

ただいまと言うと

おかえり、あのね、と言いながら上の子が玄関にやってくる。 自転車こいで全身汗だくだからあんまり近づくなよ、と言うと、見てもらいたいものがある、と言う。 わかった、わかったけどまずは手洗いうがいをさせろ、と言いながら洗面所に向かう。 上の子はそ…

棚に上げる

自分のことを棚に上げるのであれば、 棚の中に入ったままもう出てくるなと願う。

修正する習性

ひとつ細かいところを修正したとしてもそれで満足ではなく、 すぐに別の細かいところが気になり始める。 一度細かいところが気になると意識はそこにロックオンされて、もう修正せずにはいられない。 微修正に次ぐ微修正。 そして全体のバランスはどんどん壊…

難しい質問の回答

黒ひげ海賊団の中で、 ぼくはウィリーウォンカが好き。 …ん?いたよね?

全盛期は前世紀

営業の合間に隙間時間ができて、 訪問先近くの喫茶店に立ち寄ろうとする。 店内暗すぎだしそもそも入り口横には 「closed」ていうフダがかかってるし、 でも先客らしき人がいるしで、 こりゃダメかなと思いつつ恐る恐るドアを開け、 ダメモトでやってますか…

真のエンディング

作者のテンションが切れて つまんねえ終わらせ方を見せられるくらいなら、 むしろピークのところで あの物語は終わった、ということにした方がいい。 待たせに待たされた挙句に つまんねえものを見せられるのはガッカリ感がデカすぎる。 そもそもテンション…

夜道

曲がり角から誰かがやってくる。 と思ったら車のヘッドライトに照らされた 自分自身の影だった。 車が方向を変えると同時に、 俺の影はガードレールの向こうにすうっと消えていった。

同義語

秩序、 均衡、 折衷、 平和、

今年もなんとか

田植えが終わった。 腕が上がらないと言う父の代わりに力仕事を請け負うけれど、 それは父のように上手く機械の操作ができない自分への言い訳でもある。 腰が痛いと言う母に対して重いものは持つな、と声を掛けるけれど、 私だってできるわいね、と言いなが…

夜の妖怪

夜の闇をじっと見続けてはいけないよ… 深淵の奥からするりと手が伸びてきて、 お前を掴んで闇の中に引き摺りこんでしまうからね。 怖いだろう? だから夜になったら私のところにおいで。 と夜の妖怪が言っている。

長いもの

巻かれていく。 ぐるぐる巻かれていく。 ミイラ男のように 元の顔もわからなくなっていく。 そのうち体のシルエットすら わからないくらい太っていく。 両足まで巻かれてもう立ってられない。

田舎の夜

夜の闇は街中のそれよりもずっと深くて、 なんだかよく分からない動物の声が聞こえて、 夜の11時は深夜11時のように感じられた。 水を張った田んぼの代かきが終わった。 俺は柄振(えぶり)作業をしたせいで 体中がミシミシいってる。

難しい質問

麦わら海賊団の中で誰が一番好きっていう質問は太古の昔から繰り返されてきたやつだから別に考えないけど、黒ひげ海賊団の中で誰が一番好きって聞かれたら歯を磨いてる手を止めてしばし悩む。

人を評価するなら

自分も評価されなきゃならない。 一方通行の評価は主観まみれだ。