機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

ただいまと言うと

おかえり、あのね、と言いながら上の子が玄関にやってくる。

自転車こいで全身汗だくだからあんまり近づくなよ、と言うと、見てもらいたいものがある、と言う。

わかった、わかったけどまずは手洗いうがいをさせろ、と言いながら洗面所に向かう。

上の子はそこにも付いて来ながら、少しでいいからこれを見てほしい、と言う。

 

手にしていたのは算数のテスト。

手を洗ってから受け取る。

 

表。百点。

裏。百点。

 

おお、すごいじゃないか、

表も裏も百点取ったんか、

それはすごいのう、やるじゃないか、

百点はなかなか取れないぞ!

と絶賛すると、にっこり笑って

嬉しそうだった。