機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

原動力

仕事でちょっとミスをした。
朝になって、はあ、くそ、仕事行きたくないなあ、と思いながら
ベルトを閉めていると、
六ヶ月の下の子が四つん這いで近づいてきて足に触れた。
そしてこっちの顔を見上げて、
ああ!と言ってにっこり笑った。


仕度をして、いってきます、と言いながら
リビングを出ようとすると、二歳の上の子は
カミさんが作ってくれた弁当を持って自分より先に走って行った。
玄関で弁当を渡してくれるのではなく、玄関横の部屋の窓から
渡してくれるのが最近のお気に入りだ。
家の外に出て、部屋の窓から弁当を受け取ると
「いってぃったーい」と言いながらバイバイをした。


窓辺にカミさんと、カミさんに抱かれた下の子と、
手を振る上の子がいて、
たぶん今見てるこの光景は何年経っても忘れないんだろなあ、と思った。