機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

ご飯の後に

晩飯を食べた後、

部屋を移動してギターの練習を始めた。

するとすぐに上の子がやってきて言った。

「新年の一曲をやりませんか」

 

「え?いやだから今から曲の練習するとこよ」

と言うと、

 

「ギターじゃなくて将棋」

 

「え?ああいっきょくって一局のことか、

カードゲームしたんだから将棋はもういいじゃんか」

 

「たしかにカードゲームはしましたが将棋はしてないじゃん」

 

「それはそうじゃけど…まあいいかわかったよ、やってもいいけどギターの練習もしたいから九時まで待ってや」

 

「九時になったらぼくは眠くなります」

 

「ぼくは眠くなるんですか、

んーじゃあ何時なら待てるん」

 

「八時半かな」

 

「それだと十五分しか練習できないならせめて三十五分まで待って」

 

「わかったよ」

 

そう言うと去っていった。

三十五分になったら「やっぱりテレビみる」

とか言わないかな、と思っていたら

三十五分ジャストにニコニコしながら戻ってきた。

全然練習し足りないけどニコニコしながらこっちを見てるからもう引き伸ばしはできないなと思った。

 

「よしわかったじゃあ将棋やるか、

そのかわり先に歯を磨きな」

 

そう言いながらギターを片付ける。