機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

目の前にあるのは当たり前

病院に勤務するある医師は、実直な態度で仕事に臨んでいた。
それだけに、家族で過ごす時間は犠牲になっていた。
妻は、そんな夫を献身的にサポートした。
愚痴も言わず、家庭のやりくりをした。


ある日、調子が悪いと病院に出かけた妻。
そして、深刻な病気が進行していたことが発覚。
処置は間に合わず、妻は亡くなってしまう。


夫は、医師でありながら、
病気に気づいてやれなかったことを激しく後悔し、自分を責めた。
いなくなって初めて妻の存在の大きさを知った。
毎晩のように猛烈な寂しさに襲われて、泣いた。


妻のいなくなった、電気の消えた居間に向かって、
妻の名をつぶやいた。

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いつかの新聞で読んだ記事。
時々思い出してしまう。


大事なものでも、いつも目の前にあると当たり前の存在になっていく。
そして当たり前になると、感謝することを忘れてしまう。


分かっているようで、忘れがちだ。


俺はよく忘れるから、忘れないようにしよう。