機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

お別れの日

今朝方、実家の飼い犬竜馬が息を引き取った。
享年11歳。


昨日、入院していた病院に父と母が見舞いに行った時、
竜馬は大喜びで檻の向こうから吠えて、
尻尾を降って、柵を噛んでいたらしい。


今日、連絡を受けて慌てて実家に帰ると、
横たわったまま竜馬は動かなくなっていて、
その牙の片方が、欠けていた。
歯が欠けるくらい必死に柵を噛んでいたんだ。
それくらい帰りたかったんだな、と思うと、
泣けて仕方がなかった。


逆に言うと昨日の時点ではそれくらい元気に見えていたんだ。
目に見えて弱っていたら最期を看取るために連れ帰る判断も
できただろうけど、それくらい元気に見えていたら、
もう少し入院すれば元気になるんじゃないかと
思ってしまうじゃないか。


何を考えたって結果論だ。
誰が悪いとかはなく、受け入れるしかない。


思い出すことはたくさんある。
かわいかったな、という姿ばかりだ。
実家に帰るたびに全身全霊で喜びを表現してくれた
あのお迎えがないのは辛いけど、
常に目の前で気配を感じながら生活していた父と母はもっと辛いはずだ。


竜馬、今までありがとな。
硬直していくお前の姿を目の前にしても、
死んだなんて信じられないくらいだ。
特に溺愛していた母ちゃんのことが心配だから、
時々は夢でいいから会いに行ってやってくれ。
俺んとこはその後でいいわ。
それじゃあ、またな。