機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

世の空気感

戦後の復興を牽引した偉人たちがいる。
彼らは確かにすごかったのだろうと思う。


でも、個人の才能とは別に、
世の中に流れる空気感が後押しした面もあったはずだ。


男尊女卑、封建的社会、反骨精神。


会社の上司や
学校の先輩や先生、
そして家族の中の父親は、
ある意味での絶対の権力を持つと同時に、
尊敬もされていたのだろ。


目上の者から指示をされれば逆らえない中で、
無賃金の労働や深夜残業、スパルタ的な指導も当たり前で、
そんな厳しい環境の中に
家庭を顧みず仕事に没頭する人たちがいて、
年功序列で収入も確実に増え、
経済や科学が発展していくと同時に目に見えて
潤っていく生活があって、
ひとりで家族全員を養うのは当たり前で、
だから封建的な精神も維持されて、
経済発展の伸びしろもあれば、
それに邁進するエネルギーも、働く場所も、人材もあった。


すべての条件が合致してたんだろうな、と思う。


対して、今は。


あらゆるものが飽和し、
絶対的な権限は失われ、
スパルタ的な指導などは持ってのほかで、
収入は増えなくなり、
エネルギーも、
働く場所も、
人材も減り、
過去を美化する大人たち、
今を肯定する若者たちがいて、
そこに反骨精神は無く、
ただひたすら現状を維持したり、
または自分より状況の良くない者を見て安心したりしてる。


それでも伸びしろをと期待すれば、
戦争なんかがメリットのあることみたいに見えてくる。


国民全員を一致団結させる。
国民全員の意識を改革させる。
国民全員の生活を潤す。
国民全員で勝つ。


賛同する人たち、反対する人たち。


大勢の人を先導して、皆が続けば、
その人はカリスマ化されて、やがて偉人と呼ばれるのだろ。


皆が続けば。皆が続けば。皆が続けば。