機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

またモテた。

70歳を越えるおばあちゃんが一人で切り盛りしているお好み焼き屋さんが近所にある。
何しろボリュームがすごくて、肉玉そばのダブルを頼んだら2人前かと思うほどでかいお好み焼きを焼いてくれる。
2人前かと思うほどでかい上に¥600なので、
持って帰って2日に分けて食べよう(笑)と思って、昨日買いに行った。
するとカウンターに3人の先客(全員おばあちゃん)がいた。


「肉玉そばのダブル、持ち帰りで」
と頼んで待っていると、
先客の一人のおばあちゃんが話しかけてきた。
「お兄さん、かっこいい帽子だねえ」
このところ休みの日は髪をセットするのが面倒なので、たいていハットかハンチングをかぶっている。
続けてもう一人のおばあちゃんが言った。
「私らの若い頃にもそういうのが流行ったんよ。
最近もよう見かけるけど、なかなかそういう帽子が似合う人は
おらんもんじゃが、お兄さんは似合ってるねえ」
「よう見ると顔も男前じゃねえ」
まさかの褒め殺し(笑)。
「そがあに似合っとるかいね。あんまりゆうたら調子にのるけえね」
と返す。
「いーやお世辞じゃないよ!お兄さんがお店に入ってきたときに、
こりゃあ粋な人がきたでえ思うた!」
「ハハハ。じゃあこれから毎日かぶろうかね!」
「そうしんさいそうしんさい。
ほいじゃがアレよーお兄さんがそがに男前じゃったら奥さんが
心配するけえね、気をつけんさい!」
「あっそうか!だったら毎日はかぶらんようにしよ!」
「ハハハ」
「ハハハ」

…と笑った頃にお好み焼きは焼きあがったので
「それじゃあおやすみなさい〜」
「気をつけて帰りんさいねえ」
という会話を交わして店を出た。


初対面であんな風に自然に話しかけられるのってすごいなーと思う。
超ニコニコだし(笑)。
和やかだなあ。