機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

台風の馬鹿のせいで

稲刈りをするべく、実家に帰った。
でも、台風が降らせた雨のせいで、稲は濡れていた。

稲が濡れていると機械で刈り取った際に内部で詰まってしまうため、
刈ることはできない。
雨は降ったり止んだりの繰り返しで、
ぜんぜん乾く気配は無い。


せっかく帰ったというのにやること無くなっちゃったじゃないか。
どうしてくれるんだ台風の馬鹿が。


仕方ないので部屋でゴロゴロしている竜馬を起こして散歩にいく。



おい竜馬。散歩行くか?



えっなに散歩?散歩いくん?散歩いくん?



尻尾をビュンビュン振る竜馬と一緒に、
雨に濡れた道を歩く。



田んぼのわき道に咲く花に、アゲハチョウがとまっていた。
さっきまで雨が降っていたけど、その間はどこで雨宿りしていたんだろう。



(通りすがりのバッタ)


オイおまえ俺の行く手を阻むんじゃねえよ
今からそっちにビヨーンと飛んでいくとこなんだからよ。
どかないとそっちにビヨーンといくよ?
ビヨーンと。