機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

烏合の衆

村上龍の小説「半島を出よ」では、
北朝鮮コマンドの福岡侵略に対し日本政府は
有効な防御策を打つことができなかった
(ただ九州と本州の交通を遮断して、
文字通り九州を「隔離」しただけ)。
情報伝達の曖昧さ、
責任の所在の曖昧さ、
時間を掛けても何も決められない指導力の無さ。
著者はそれらを露骨に描いて、
たぶん確信的に日本政府という組織の無能さを皮肉っていた。


危機に対する対応の仕方という意味では、
今回の震災に対する日本政府の対応は似たようなものだ。


情報の伝達経路すら明確になっていない中、
やれ言っただの言わないだの、
それを私に言われても困りますだの、
辞めるだの辞めないだの、
あまりに次元の低い押し問答の繰り返し。
何も具体的に決めることができない烏合の衆だ。


正直、今回はマジでがんばってほしかった。
派閥だの政権だのは置いといて、
本気になったら日本の政治家も一致団結できるんだ、
というのを見せてほしかった。
もはやそれは無理な話。
夢と化した。


色んな意味で今は踏ん張りどころだったはずだ。
来年以降、日本が経済的・外交的に上昇するか、
それとも下降するか、それを左右するのが今だったと思う。
でも結果的には、国内どころか国外にまで
日本の政治の次元の低さを露呈しちまった。
わざわざそれを世界にPRしてどうするんだ。


子供たちが「ぼくは将来政治家になりたいです」
なんて夢を言うくらい、
一回でいいからかっこいいところを見せてくれよ、
センセイ方。


霞ヶ関を中心に、ため息の風が渦を巻いてる。