AさんがBさんに、スバスバーッと正論を並べた。
ごもっとも。
その通り。
Bさんは反論の余地もない。
でも、俺はそれを聞いたときなんかヒジョーに不愉快だったんだ。
なんでかは最初よくわからなかったんだけど、
よくよく考えたら理由はハッキリしてた。
一つ目は、Bさんにとってその内容は分かりきったことだったこと。
宿題しなさい、と言われて、分かってるよ、と答えるやりとりみたいなものだ。
二つ目は、Aさん自身がその内容をまったく実践できていないこと。
以前に俺が別件でまったく同じことをAさんに言ったとき、
「それは、できない」とはっきり言われた。
自分ができないことを他人に言う神経はちょっと理解できない。
三つ目は、その言い方に優しさのかけらもなかったこと。
なんだか自分の正論に酔って優越感に浸っているような、
きつい言い方だった。
自己PRもマスターベーションも別にいらねえよ。
正論だからって、すんなり受け入れられるとは限らない。
口にするだけなら、いと易し。