機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

役割を終えたもの

5年ほど前、

3才や5才がカプセルプラレールをしたり、

ブロックを作ったりビー玉を転がしたりして遊ぶために、

割と大きなプレイテーブルを作った。

ホームセンターでベニヤ板や角材やボルトや車輪を買って、

工具はノブ君に借りて、しかも作業自体も手伝ってもらって、

冬の寒い日に暗くなるまでかかって、組み立てた覚えがある。

 

リビングに置いてからというもの、仕事から帰るとプレイテーブル上には3才や5才が

その日の夕方に作ったであろうブロックやレールの作品が並ぶようになった。

そのうちそれの作品の下に「さわらないでください」とか書かれたチラシの裏が加わるようになり、

一時はそこが家の中での子供たちの主戦場だった。

 

それが今、テーブル上には筆記用具やおもちゃの箱や折り紙の残骸や粘土板や本とかが、

ごちゃっと散乱してる。

一応端っこには「水陸のみならず空まで飛べるカラフルなブロックの乗り物」が置いてあるけど、それにしても他に置く場所がないから仕方なくそこにある、という体だ。

 

リビングには何かとモノが増えていることもあって、もはやプレイテーブルではなく物置きと化したコレに、先日不要論が浮上した。

多数決の結果は3対1、

反対派は作成者の俺一人。

賛成派に回った8才と10才はテレビを見ながら「別になくてイイ」と端的な感想。

反対派の理由は「頑張って作ったものから捨てるのイヤ」という感情論100理論0のものだったため、

賛成派多数により「廃棄する」ことで可決した。

 

役割を終えたものは退場するんだ。

それは世の摂理だ。

そんなことはわかってるよ。

ただ少し寂しいだけ。