機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

泣けばいい

ちきしょう負けるか、
と歯を食いしばったのはいつだったか。
泣きそうになって、
ぎゅっとこぶしを握り締めたのはいつだったか。
泣くな、泣くな、泣くな、と言い聞かせて、
必死にこらえて、
でも泣いてしまったのは、いつだったか。


小さい頃は、思うようにいかなければ泣いてもいいけど、
大きくなるにつれて、泣けなくなっていく。
男泣き、なんて言葉があるように、
特に男は、人前では泣けない。


泣くことを忘れて、
こぶしに力をこめることを忘れて、
歯を食いしばることを忘れて、
そうするといつの間にか、
泣いちゃいけない、と思い込んで、
耐えている。


でもそうじゃなくて、
大人だって泣いていい、
人前で泣けなければ、隠れて泣けばいい、
声を上げて泣けなければ、
声を上げられるところで泣けばいい、
心で泣けなんて誰が言った、
子供に戻って、
泣くだけ泣いてしまえばいい。


そうしたらきっとまた、
大きくなれるんだ。