機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

願望

悪魔が言った。

 

お前のやりたいことを三つ言え。

その通りの日々を提供してやる。

 

一つ目は、そうか女か。

よし。

毎日いろんな女とセックスさせてやろう。

 

二つ目は、そうか金か。

よし。

毎日欲しいものをどんどん買わせてやろう。

 

三つ目は、そうか豪邸か。

よし。

毎日日替わりで色々な大豪邸に住まわせてやろう。

 

明日から、お前の人生は望み通りのものになる。

楽しみにしておけ。

 

そう言い残して、悪魔はその場を飛び去った。

 

するとその悪魔の後ろから、天使が近づいて言った。

 

あの男を助けるために、望みを叶えてあげたのかしら。

 

悪魔は答えた。

 

俺はあの男に、日々を提供すると言ったんだ。

明日からあの男は毎日色んな女を抱き、毎日浪費をし、毎日見知らぬ豪邸で暮らさなければならない。

疲れきって死にたくなるまで、

そう時間はかからないだろうさ。

まずはその過程を見て楽しんだ後、

死にたくなったらその時に魂をいただく。

 

あなたって本当に悪魔ね。

 

お前が真実を告げた後だったからな。

話が早くて助かったよ。