機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

モデルルームは怖い

モデルルームを見に行くと、
「こんなとこに住めたらいいなあ」と思う。


料金プランで提示されるのは月額の支払い。
「家賃と変わらないなら、買えるかも…」なんて思う。


「次々に成約されています、早くしないと売れます」
なんて言われると、決断を急ぐ方が良いことのように思う。


もちろんそこには「家買いたい」と思う人しかいないから、
みんながみんな、今にも買いそうな人に見える。


支払い期間が30年とか35年なんてのも普通。
そしてそこに「借入金額」は書いてあるけど、
長期ローンによって加算される利子分を足した
「総支払額」は書いていない。


30年も過ぎると物件の資産価値は全く無くなる、
ということにももちろん触れないし、
10年、20年が経過すると経年劣化でこんくらいの
状態になります、なんてのにも触れない。


買うのは「今」の状態。そして未来への「夢」。
払うのは「これから30年」。


30年、という長い支払い期間の想像なんかできるはずもなく、
「夢を手に入れるんだ」という抽象的な欲望が勝つ。


恐ろしい場所だぜモデルルーム。