機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

家を出るときに

そうちゃんは大事なモノをいつも持っていく。
あるときはトーマスのおもちゃだし、
またあるときはブロックで作った何かの断片だし、
プラレールだったりお菓子のオマケだったりする。


今日夕方に家を出ようとすると、
お父さんちょっと待って、と言う。


これを持って行って、無くしちゃダメだよ、
と手渡されたのはドングリだった。


玄関のドアを閉めるとき、
早く帰ってきてね、と彼は言った。