機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

子供同士の縄張り

「子供の広場」みたいなところにたくさんの遊具があった。
息子はすぐに木製の電車やレールが置いてあるところに
駆けていった。
そこにはすでに先客が二人いて、
どうやら彼らは友達同士のようだった。
たぶん息子よりも二才くらいは上と思うのだけど、
一回り体が大きい。


二人の横に並んで入ったとき、
そのうちの一人が、息子に向かって肩をぶつけてきた、
ように見えた。
息子は特に気にした様子もなくて、
そのまま電車を拾って線路に置こうとした。
先ほどの子が、今度は息子の胸をドン、と押した。
息子は足元の段差につまづいて、尻餅をついた。
それを見て尚、敵意のある目で睨んでいる。


もうここは僕らが遊んでいるんだから、
お前は入ってくるな、
ということらしい。


子供同士の間ではよくあることだろう。
でも同じくらいの年頃ならまだしも、
明らかに年が上で体格の違いがある場合、
それはフェアじゃない。


というわけで注意した。
「別にお前らのものじゃないだろうが。
なんで遊んじゃいけんのんや」


優しい口調で言えないところが大人気ないと我ながら思うけど、
その子は悪びれた様子もなく睨み返してきた。


どっちにしてもそれ以上は楽しく遊べないから、
結局場所を変えたのだけど。


一番気にしていなかったのは息子。
倒されたことも特になんとも思っていないようで、
ワーイと違う場所に走っていった。


ひょっとしてお前が一番大人だったんじゃないのか。
三才のくせして(笑)。