機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

蝶の残像

同じ言葉の繰り返し 通り過ぎては消えてゆくばかり
何年かの間 雨は降り止まずに 流れは速くなった


根付く間もなく何も生えず 沈み始める 気づかないうちに


綺麗すぎる文字が辺り一面を埋め尽くしていく中
その中心を貫いたのは聞き覚えのある赤い色の唄声



たくさんの記憶 まとわりつかせて それは形を成していった
やがて一匹の蝶になり 深い深い奥底へ飛んでいった


その残像は 夜の月のように 淡く光って 刻み込まれた


水の上でゆらりゆらり 揺れてる舟の上に立ってるような
闇に覆われ 灯台の光を 見失ってしまったような


その時には 蝶の残像を辿って 後を追いかけてゆけばいい
やがて光を見つけるだろう 地面の土を踏み締めて立つだろう