やってしまった。
雨で濡れた路面なのに、直角カーブをいつもと同じ速度で曲がったのがまずかった。
ズルッとタイヤの滑る感覚があり、
やば、と思った瞬間には視界が一気に傾き、
右手で受け身を取ったけど転倒し、
右肘をモロにコンクリに擦り付けた際
同時に右側頭部が地面にぶつかって、
視界が揺れた。
横たわる自転車と、転がる水筒。
そして倒れる俺。
右半身に痛みを感じながら
起き上がり、自転車を起こし、水筒を拾う。
右肘がコンクリでえぐれていて、
ツーッと血が流れ出ていた。
いってえ、と思うと今度は左の鼻からダラダラと膿が出てきた。
これは多分、副鼻腔炎のやつだな、とは思ったけど、なぜ右側頭部を打ったのに左の鼻から出るんだろう、ただとにかく頭を打ったのはまずい、
と思った。
幸いだったのは、
家を出てからすぐだったことと、
単独事故だったこと。
自転車のディレイラーとサドルに傷ができたけど、走行には問題なさそうだ。
とりあえず家まで帰ると、
学校に行く直前だった子供たちは一斉に驚きの声を上げた。
酷い傷なのに泣かないからパパえらいね、
と下の子は言った。
ともかくは急遽、全ての予定を変更。
傷を洗って近場の外科に行くことに。
毎日自転車に乗っている中で、
これくらいなら大丈夫だろう、
という油断が招いた結果、だよなあ。
油断している時は、
それが大敵だということには気づかない。