わけあって深夜。
自転車で街を抜けていく。
歩道には誰もいない。
時折車が横をかすめていくだけ。
交差点の信号はひたすら点滅してる。
建物の窓から漏れる光は少なくて、
街は暗くて、静まり返ってる。
幾度となく狭い路地の横を通り過ぎる。
路地の向こうは真っ黒。
どこかに別世界への入り口があっても不思議じゃないな、とか思う。
いつの間にか無人の世界に迷い込んでいたらどうしよう…
窓の明かりの向こうにも、24時間営業の店の中にも、実は誰もいなかったらどうしよう…
と一人で勝手にホラーな世界を想像しながら帰った。