科学が発達するより昔、
先人たちは雲を見て天候を読み、
星を見て方向を知り、
風と山を見て季節を知った。
彼らは語り継がれた自然のルールを基にして、生きる糧を得ていた。
だから自然に対しては畏敬と畏怖の念を同時に抱いていた。
向き合う対象が自然ではなく科学になったとき、
自然に対する畏敬と畏怖は失われた。
でも、いまだに台風を消すことはできないし、
進路を変えることもできないし、
風や雨を弱めることもできない。
四国を覆うほどの巨大な風の渦なんだから、
よくよく考えてみるとものすごいエネルギーだ。
そりゃあどうにかしちゃろうったって無理だ。
自然の力を科学の力が凌駕するなんて思っちゃいけない。
この辺りは今晩が台風のピークらしい。
外で風がごうーっと鳴っている。