機械仕掛けの豚

クソみたいな世の中だと憂う前に、目の前のものを愛そう。

休日に一人で

関東圏の出張先で過ごす初めての休日。
前日までの天気予報は外れて、晴れた。


今日はゆっくり過ごそうと心に誓っていた。
PC内部の清掃、部屋の清掃、洗濯、この間撮った仲間の結婚式のビデオ編集。
やろうと決めていたのはそれくらい。


昨日、通勤帰りの途中にある、
70代後半くらいのじいちゃんばあちゃんが営む手作りパン屋さんで黒糖食パンを買っていたので、
朝飯はそれをチーズトーストにして済ませた。


昼、掃除用品を買いに外に出る。
通勤途中にある100均で適当に買う。
その帰り、昭和然とした佇まいの小さな本屋に立ち寄った。


自動ドアから店内に入ると、奥でテレビを見ていた
店の主人が慌てて飛び出してきて、
レジのところにどかっと座った。
そして足を組んで、俺を見た。


狭い店内には週刊誌や文庫小説や漫画なんかが
適当に置いてあって、
本の並べ方も掃除具合もなんだか全体的に適当だ。
こりゃだめだ、と思って一周して帰ろうとすると、
店の主人が無言のままパチッとボタンを押した。
そしたら自動ドアが開いた。
どうやら万引き防止のために帰りのドアは手動で
開くようにしているらしい。
適当なくせにそういうとこだけはしっかりしてやがる。


すき屋で昼飯を済ませて、
家に帰ってすぐにPC内部の清掃をした。
購入してからおよそ三年、一度も開けていないカバーを外して、
内部のホコリを清掃。
その後、リビングやキッチン周りやトイレや浴室を清掃。


その結果、長ーい髪の毛がいたるところから検出された。
待てよ。
今ここに住んでいるのは俺だけのはずだ。
そして俺はロン毛ではないから、
もちろんこれは俺の髪の毛ではない。


そうかストーカーか。
見知らぬ誰かが俺の留守の間に侵入しているんだな。
もしかしてロフトにひきっぱなしの布団の中に
誰かがいて、今も俺を見ているかもしれない。


とか想像していたら本当にびびっちゃったので
一応ロフトを確認した。
ほら誰もいねえ。
いるわけねえじゃねえか。
ねえ?


ふう。